心に城を築き、まずは自分の安心できる場所を作る
誰しも、パニック障害になると恐怖に襲われてしまう。それは、一度快方に向かった人でも、何かの切っ掛けで、また、そうなってしまうことがある。そんな時は、自分が安心できる場所、「心の城」を作る事がお勧めだ。なんでもいいから、好きな物で自分の周りを固めていくと、しだいにその中で守られて安心して寛ぐことができるようになってくる。
ある患者さんは、気功指圧を受けに通ってくれて、こちらの勧めを素直に聞いて、「寝ながらできる元気気功」や般若心経を唱えていただいて、半年ぐらいで大分よくなった。そして、その時に音に関するパソコンを自分で組み上げてから、飛躍的によくなった。そのことをご自分では「音の城」と表現していた。その後もスピーカやアンプなどの壊れた物をインターネットで買って修理したり、昔聞いたjPOPの曲などをハイレゾ音源に変換して聞いたりしながら、活き活きと楽しく暮らせるようになっていった。
人間というのは、何か問題があるとどうしてもそのことに囚われて、そのことばかり考えるようになってしまう。それが、鬱やパニックの原因になる。その意識をもっと楽しいことに向けることができれば、再び生活は輝きを取り戻し、毎日生き生きとワクワクしながら生活することができるようになってくるのだ。
上の写真はよく行くお米屋さんの店のものだ。最近、倉庫を改造して店舗をご自分でリフォームしたのだそうだ。店の中は、奥さんの大好きなかわいい小物たちがいっぱいで、楽しいファンタジーの世界が作り出されている。特にムーミンが好きだそうで、たくさんの小物をお持ちで、ムーミンたちもしっかり店の中に生きずいていた。(ちょっとわかりにくいが、上の写真の白い置物がムーミンです。)この奥さんにとっては、このお店が城なんだと思った。ここにいれば、たとえ生活の中でいやなことがあったとしても、忘れて楽しく過ごすことができるのだろう。
だから、心が壊れそうになった時は、こうした「心の城」を作り自分を守る事が大切なのだと思う。