左脳派社会

 

先日治療をしていて患者さんから、左脳派社会という言葉がでてきた。確か相変わらずうつで会社を休む人が多いという話からでてきたのだと思う。左脳派とは、論理的で計算力があり、右脳派とは、直感的で芸術性に優れているというイメージがある。つまり、AIやITが盛んな現代社会は、ますます左脳化しているということである。

自分などは、完全な右脳派人間なので、実に生きにくくなってきていると感じる。だいたい書類を書くとほとんど間違えてしまう。自分でも驚くような間違いを犯してしまい、送り返された書類を見てびっくりすることがよくある。最近の世の中は、自分のことは棚に上げて、人が間違いを犯すと必要に追求するようになってきている気がする。

元々、人間とは間違いを犯すもので、間違いから学ぶことで精神的に成長していくのではないだろうか。そうした人間の欠点を許さないような社会になったら、生きることがますます辛くなってしまうのではないだろうか。般若心経を読んでいて救われるのは、この世の一切が空だということだ。たとえどんな素晴らしいことをしても、また過ちを犯してしまったとしても、それは映画の世界の出来事のように架空の話であったとしたら救われる。人間の本質は、この世のどんな出来事によっても傷つけらることがないと知れば、この世のどんな辛いできごとにも耐えることができる。

でもそれは、人が人と直接繋がるからできることで、すべてをAIが判断してしまうような左脳派社会の到来は、できれば避けたいものだ。人間だもの血と気の通った温かい愛情のこもった判断が必要なのではないだろうか。

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