本当のことを言う
ガンガジの本のなかに「本当のことを言う」という章がある。この間も、ある会であなたの願望を10個まで書いてくださいと言われたが、意外と本当の願望は書けないものだ。本当に心の底から望んでいるものは、そう簡単には人前では語ることはできないだろう。
もう一つは、頭で望んでいることと心で望んでいることがくい違っているということがある。
心と身体と意識に分裂がある社会や個人では、特にその違いに本人が気づくことはむずかしいだろう。本当に必要なこと本当に望んでいることとは何なのか。その問い対して、ガンガジはこんな風に書いている。
「自分を肉体のみと同一視したり、一過性の状態や状況と同一視したりすることが、あなたのすべての苦しみの根本原因です。と同時に、どんな苦しみの体験にも、すぐその後にあなたの真実の姿が隠され、あなたがそれに気づくのを待っているのです。あなたは、眩いばかりの自由な意識です。この輝く自由な意識が、自分を単なる肉体、思考、感情、あるいは状況と同一視することで曇らされるとき、あなたは嘘の人生を生きています。そして、嘘のあるところにはいつも苦しみがあるのです。
私たちの多くは人生を非常に表面的に生きています。そして、その表面的な生き方のために苦しみます。なぜなら、私たち一人一人の内面にあるより深い存在が、私たちがその存在を知り、感じ、表現し、対峙することを望んでいるからです。表面的な真実に満足している限り、悲しいことに、私たちはより深い真実の発見はできないのです。」
以上ガンガジ著「ポケットの中のダイヤモンド」より引用
看板の絵のような表面的な人生をなんの気づきも不満も苦しみもなく送ってしまったら、その死に際して私たちは、なんと無駄な人生を送ってしまったのかと後悔してしまうかもしれない。そういう意味では、苦しみがあるからこそ、本当の人生を求め真実に近づこうと努力すことができるのだろう。