知的障害と鳥
一昨日、初めて飼っているインコたちが、うちの子供の腕に乗りました。知的障害の子供を持った親にしかわからないでしょうが、この喜びは一塩です。うちもありましたが、大きくなると誰かに噛みついたり、暴力を振るうことも増えてきて、その扱いに大変な想いをしている親御さなんも多いのではないかと思います。息子の通う作業所でも、親に暴力を振るったり、はたまた、以前通っていた養護学校の先生の家に行き、その奥さんを傷つけて警察沙汰になったりといろいろな話を聞きます。
しかし、オキナインコのしんちゃんを飼い始めてから、息子の様子が変わりました。以前よりも積極的に鳥たちと関わるようになってきました。ちょっと前までは、多少は鳥の面倒はみていたものの手に乗せるということは、勧めてもしませんでした。それが、オキナインコを飼ってから、より親しさを持って鳥たちに接するようになりました。
鳥によって心が和み、1対1で直接親子が対立することもなくなって、同じ気持ちで鳥たちに向き合うことができています。さらに鳥の世話をやくことが、息子の励みになり、そして、作業所で皆に見せることが誇りになっているようです。きっとしんちゃんとピーを腕に乗せた動画を自慢げに皆に見せることだと思います。この子たちは、いつも自分の存在意義について考えています。自分がこの場所にいていいいのか不安なのです。知的障害を負ったのは、決して彼らの責任ではないのですが。そういう意味で、逆に鳥たちの面倒をみるということが彼の存在理由になり、役だつという誇りを生み自信に繋がっていくのだと思います。