気の対話としての気功指圧
昨日は、右の股関節が痛いと言ってやって来た患者がいた。気功指圧をしながら、いろいろと話をして、いつからどんな具合でどこが痛いのかを聞き出していった。初めは股関節の外側の辺りを押さえていたので、足の外側の筋肉の付け根を痛めたのか思っていたのだが、実際に指圧してみると股関節の内側に痛みがあり、腸腰筋を痛めていたことがわかって、そこへ指圧で気を入れていった。
痛い所だけを施術せずになぜ全身の指圧をすのかと言えば、押すことで患者さんの内側に流れる気の流れを感じ、その気と対話することで、お互いの命の交流をするためだと言える。その過程で、たいていの人は、指先が温かくなって気持ち良くなって、眠くなるという。気功教室でもそうなのだが、しだいに大脳の働きを治まり、脳幹の働きが活性化して、身体の中心から気がわき上がってくるようになると、しだいに生徒さんの会話も収まり、自らの内に広がる静寂のエネルギーの海に身を任せるようになる。
同じように気功指圧をする時も、単に治すだけではなく、患者さんとの深い所で命の交流が起こることが目的と言えるかもしれない。患者さんが、心から癒されて、日常生活での重荷を降ろして、身軽になって帰っていただければいつもと思っている。