肺よりもハートの中が痛む

先週来た患者さん二人が、心臓の奥の方が痛むと言っていた。今週来た患者さんは、仕事が暇になりそうだと言ってこぼしていて、新型肺炎の影響が肺に来る前に心につき刺さってきたようだ。旅館、観光に関わる仕事や音楽、スポーツ、飲食店を始め、あらゆる職業に影響が出始めた。それらが、ストレスとなってあらゆる職種の人の心に突き刺さり始めた。自粛する期間が長引けば長引くほど、心の傷も深くなりそうだ。

こういう時は、意識の方向を仕事から離した方がいい。なぜなら仕事のことを考え始めたら、心配で心配で夜も眠れなくなってしまうだろう。今までも、日本人は、東日本大震災を初め、いろいろな災害にあい、いろいろと大変な想いをしてきたが、今回の新型肺炎のパンデミックは、世界中の人々も同時に苦しんでいる。今までの社会や人としての有り様が、今回の出来事で変わってしまうのかもしれない。

実は、もうとっくに浮かれて笑っている場合ではなかったのだが、今回の出来事でそのことを身にしみてわかったのではないだろうか。特に、志村けんの死は、そのことを象徴している。日頃から人は、いつ死んでもいいように心して生きる必要がある。生死の中に仏あれば、生死なしと言う言葉があるように、自分の中に眠る仏が浮き上がるような生き方をしていれば、こうした時に後悔することもない。表面的、外面的な快楽や物質を求めれば、その欲望に限りはなく、自分の身も心もすり減らして、最後は、悲嘆の中に死を迎えることになる。

いささか話が重くなったが、般若心経を唱えていて何がいいのかというと心が軽くなることだ。今治療を終えて帰った患者さんは、先週来た時は心の中が重かったが、今週は大丈夫だったという。「こちらの軽くなった心のエネルギーが、入ったんでしょう」と言ったら、「そうですね」と納得してくれた。そこで「般若心経は、英語でHERAT SUTRAと言って心のお経って言うだけあって心が軽くなりますね」というと、「ハ~トがすっとすら~」ですねと言われた。なるほど、心がすーとするから、「ハ~トがすっとすら~」ですねと言ってお互い笑い合った。今は、大変な時ですが、こんな時こそ、みんなで般若心経を唱えて心を軽くしてみてはいかがでしょうか。

 

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