決算忠臣蔵と数字のお化け

この間の日曜日、子供と決算忠臣蔵という映画を見に行ってきた。当時は、忠義と称えられた行動を金と数字でしか理解できなくなってしまたことに違和感を覚えた。人生100年時代とか言われて自分の老後を心配する現代の日本人に、自分で自分の腹を切る覚悟と胆力をこんな風に茶化す資格はないと思う。そうとうの覚悟がなければ、切腹などできないことだし。今の人たちは、当時の人と違って完全に数字に支配されてしまっているのかもしれない。

そういえば、昨日来た患者さんも会社で、何かにつけて数値化して提出しろといわれても数値化でないものもあるので困ったいると言っていた。数値化できないものの中にこそ、仕事に対する喜び、誇り、夢がつまっているのではないだろうか。効率ばかり求めても誰も幸せにはなれない。社会や人も目的は、幸せになることだとすれば、今の社会のシステムはそれに逆行している。つまりは、病気と不幸の大量生産をしているということになるのではないだろうか。

つまりは、今の資本主義のシステムそのものが間違っているから、こうして苦しみが増し、自殺する人も減らないのだろう。決算がせまるたびに冷やせがでて数字のお化けにうなされている人たちも大勢いるものと思う。こんなシステムが維持されているのも、自分たちのこの世に対する認識が間違っているからだ。金や物、肉体に対する執着が、様々な苦しみの元になっている。一人一人がその間違いに気づき、この世への執着から解放されてゆけば、世の中のシステムも徐々に変わってゆくだろう。

般若心経百万会は、瞑想では数値化できない喜びを皆で般若心経を唱えることで体感してゆこうという会だ。元より単に回数を増やすことが目的ではなく、読経することで悩みや不安を解消し、さらに進んで喜びや覚醒に至ることが目的だ。一応回数は数えるが、それは数字のお化けから解放してくれる数字だ。普段の生活の中で不安や怒り、ストレスに押しつぶされそうになったら、思い切り声をだして唱えるといい。その声が一人二人と増えてゆけば、やがて社会を変革する大合唱になるのではないかと思う。

 

 

 

 

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