人は、倒錯した夢の世界でもがき苦しんでいる
上の図の下の黒く塗った逆三角形は、真実の世界とは逆転して逆さまになったこの世を現しています。不生不滅から無智亦無得までの否定語を黒く塗りました。そうして浮かび上がったピンク色の部分は、実際のこの世の様子を現しています。そして、今にも倒れそうな逆三角形でこの世が倒錯した不安定な世界であることを表現しています。そして、般若心経の遠離一切顚倒夢想とは、観自在菩薩が深い般若波羅蜜多の意識の状態になった時に、初めてこの世が倒錯した夢の世界であることがわかって、すべての苦しみや災厄から解放されたという状態ということで、上の三角形の安定した図形の中に表現しています。
人類は,釈迦がいた昔から、ずっと無明という闇の世界に暮らしていて、未だにそれは明けるどころか、地球を何度も破壊する核兵器の開発をするなどして、ますます深まっていると感じます。科学技術が進歩したら、幸せになれるのかと思ったら、原発の放射能汚染やプラスチックゴミの海洋汚染、環境ホルモンの生態系への悪影響、温室効果ガスによる異常気象と地球の汚染は広がる一方です。しかも、AIや5Gといった、人工知能や通信の発達を、人間の監視や攻撃や支配につなげる国がでてくるなど、ターミネーターの未来が現実化しつつあります。こうしてますます闇は深まっています。
「じゃいったいどうすりゃいいの?」と暗澹たる気持ちになりますが、ありがたいことに2000年以上前から、その答えはでています。この真っ暗で倒錯した夢の世界から、目覚めればいいのです。そのことを説いたのが、般若心経です。しかも、この般若心経は、空海の昔から、すでに日本人は、千年以上に渡って唱え続けています。だから、般若心経を自分も唱えているし、縁ある人たちにも勧めています。まさに「、みんなで唱えりゃ、怖くない」です。
苦しい時は、必死になって真剣に唱えれば、しだいに楽になるし、窮地を脱したら、覚醒を目指し着実に唱え続ければ、その意味するところを次第に体感してゆことができるでしょう。そうすれば、この世の倒錯した闇の世界から解放されて明るい今この時に安住することができるようになるのではないでしょうか。