シルバーが シルバー見れば ゴールドだ
来年の東京オリンピックのチケットが売り出されたようで、世の中すっかりオリンピックづいているようだが、介護の現場で日夜がんばっている方々には、そんな話は関係ないのかもしれない。実は、とある老人施設に往診のマッサージに行っているのだが、ここの所保険制度が変わって厳しくなったせいか、半年も前に提出した同意書というものが差し戻されてきてしまっていた。
そこで施設を担当している医師に同意書を送って書き直してくださるように依頼してあったのだが、それがなかなか返送されずにやきもきしていた。先週行った時には、そこの看護師さんにもどうなっているのか先生に尋ねてくるように頼んでいたのだが、その返事も来ていなかった。いったいどうなっているのかとあらやこれやと考えてけっこう不愉快な日々を送っていた。
そして、一昨日は先生がその施設に往診する日だったので、朝、電話していったいどうなっているのかまた先生に尋ねてくるように施設の人に頼んでおいた。その日の夕方、100歳近いおばーちゃんのマッサージに伺うと、くだんの看護師さんがやってきて、「いや~ごめんなさい、先週言われたことすっかり忘れちゃって、先生に聞かなかったのよ。今日、先生に聞いたら、先生も忘れていたので、すぐに送るそうです。」と言われた。「な~んだただ単に忘れただけだったのか」と思い一安心した。
考えてみれば、その看護師さんも再就職でその施設に勤めているのだから、お孫さんもいる立派なシルバー人材だろうし、先生も70歳を越えているように思われる。自分もこの間、カラオケに行って、60過ぎたらシルバー料金ですかと聞いたら、そうだと言われて、うれしいような寂しいような気持になった。まあ、介護の現場もけっこうシルバー人材が支えているのだろう。そして、こうして頑張っている人こそ本当の意味で人生の金メダルに値するのではないだろうか。その時、ふと「シルバーが シルバー見れば ゴールドだ。」という言葉が浮かんできた。介護オリンピックの世界では、今も毎日、必死に老人や障害者の介護に頑張っている人がたくさんいると思うが、そうした人たちこそ金メダルをもらう価値があるのではないかと思う。