カゴの鳥から自由な鳥へ!

子供の頃から鳥が好きで、今もボタンインコを飼っている。名前はぴーで、カゴの生活が気に入っているのか、もう8年も一緒に暮らしている。鳥との別れは、あっけないもので、ある朝カゴを見たら、ぽとりと冷たくなって下に落ちているか。放鳥している時に窓から、飛び去ってしまってそれきりかの二通りしかない。だから、いつ飛び立ってもいいように心の準備だけはしている。自分の肉体に執着しなのと同じように彼らの肉体にも執着しないのが、鉄則だ。彼らには、自由に飛び回る翼があるのだから。人間も鳥のように生きて死ぬことができれば、きっともっと世の中は明るく軽くなるのではないだろうか。ちなみに自分の飼っているボタンインコは、ブルーボタンという。つまり、幸せの青い鳥だ。

鳥の話をしたのも実は、ラマカント・マハラジの「自己なき自己」の中に鳥のことがでてきたからだ。とてもためになる話なので、また、引用してみよう!

以下引用

マハラジ:(前略)幸福と平安は体のためのものだ。なぜなら、身体形態として存在することは耐えがたいからだ。

身体形態はあなたの究極的な真実ではないと確信した途端、どんな「良くない」ことが体に起きても、距離をもってそれを見つめることができるようになる。それはあなたではなく、隣人の子供に起きたことのように感じられる。そのように感じられるのは、この体は物質的なものだからだ。そして、それはあなたではなく、隣人の子供に起きたのだから、あなたは巻き込まれない。

超然としていることは、覚醒したサインの一つだ。

質問者:そこに至る前の段階では、体はとても重要なものであり、私たちはそれを所有しているという強い感覚があるのですよね?

マハラジ:そうだ!しかし、所有しているわけではない。あなたは体の所有者ではない。所有者は五大元素で、あなたは賃貸契約を結んでいる。つまり、体の力を借りているにすぎず、あなたは水を借り、食べ物を借りている。2,3年ごとに契約を更新していくが、いつか出て行かなければならない!

質問者:家から叩き出されます!

マハラジ:これは家ではなく、檻だ。あなたは檻の中にいて、ニンジンをかじっている。それは黄金の檻かもしれないし、銀の檻、真鍮の檻かもしれないし、いろいろな檻がある。金持ちは金の檻を作り、貧乏人は鉄の檻を得る。

質問者:でも、すべて檻にすぎません。

マハラジ:賢者は檻の中にいる。それは「賢者の檻」だ。確信を得た瞬間、あなたはその檻を打ち破る。私はあなたに勇気を与えようとしているのだよ。

あなたはここを去らねばならない!檻を開けよ!檻を広く開けよ!あなたは自由な鳥だ!

以上引用終わり

そういえば、ブラザーサンシスタームーンという映画の中で、覚醒した若き日の聖フランチェスコが、屋根の上を歩き雀の雛を追うシーンがある。まさにそのシーンは、彼が中世のヨーロッパの重い檻の中から、解放されたことを象徴しているのだろう。ここでいう檻は思考の枷(かせ)で結局自分で作って自分で縛られいる。その枷で自分だけ縛られているのならまだしも、結局、権力、財力を持ったものが、自分のかってな思い込みを人々に押しつけてくるので問題が生じる。その最悪のケースが戦争で、気づかぬうちに前線で弾よけになって進軍させれるということが,今も昔も何度も起きているのではないだろうか。真理とは真逆で倒錯したこの世界で生きていくのは大変だ、そのことを、マハラジは「なぜなら、身体形態として存在することは耐えがたいからだ」と言っている。しかし、自分が肉体ではないと確信したとたんその束縛から解放されて、鳥のように自由に大空飛べるようになる。だから、ブルーボタンを飼うのを止められない。いつかこの青い鳥とともに大空へと帰って行きたいものだ。

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