心のかさぶたをはがさないで!
一昨日、アマゾンプライムビデオで「アフターマス」というアーノルド・シュワルツネッガー主演の映画を観た。内容は、管制官のミスで起きた飛行機事故で家族を失った男の物語だ。結局、彼は自分の怒りを抑えられずにその管制官の所に押しかけて殺してしまう。彼の心は、大切な家族を失ったという喪失感で壊れてしまった。そして、怒りがいつまでも心の中にくすぶり続けた。頭では、しかたないことだと理解できても感情的には許せなかった。こうした痛ましい事故は、日本でも今年の春にあった交通事故のように、日常的に起こっている。ただ日本人は、抑制が効いているので、直接相手に復讐するというケースは少ないだけだ。
事故事件以外でも親しい人の死や病などでも、心に穴が開いたように苦しむことがある。そして、治る過程である程度時間が経つと傷ついた心にかさぶたのようなものができてくる。心理療法やセラピーの中には、心にフォーカスしてそのかさぶたを外すものもあるだろう。しかし、そのかさぶたを外すことで、一気に心の問題が吹き出てしまいかえって大変な状態になることもあるのではないだろうか。自分としては、そのかさぶたを無理やりはがさずに外傷の時と同じように傷が癒えて内側から肉が上がって自然にかさぶたが剥がれ落ちるように心の傷が内側から自然に治るのを待つ方がいいと思う。
そして、般若心経とは、まさに心の傷を癒す教えなでので、それを唱えることで癒す方がいいと思う。この世そのものが、空であり幻想であると確信して実感として納得してゆくことで心の傷も癒えてゆく。心にフォーカスするのではなく、自分を含めこの世そのものが存在しないということに気がつけば、その中に含まれる心の傷や心そのものが存在しないことになる。意識のファーカスをもっと深い生命エネルギーの中心に持っていけば、そこからのエネルギーをもらうことができて、自然と心の傷も癒えて消えてゆく。