治療とは、マイナスを0に戻すことではなくプラスに変える事だ。
音の城を作ることで、すっかり心の平安を取り戻した患者さんが、昨日は指圧の後、ギターを片手に演奏してくれた。今までは、音の城の中で、心身の回復を図っていた彼が、いよいよ外の世界に向けて音を発し始めた瞬間だった。これを思うと治療とは、今までマイナスだった状態を単に0に戻すだけでなく、さらに生き生きと生きていけるようにプラスに変える事だということが良く分かる。
音楽といのは、素晴らしいし楽しいし、その音が周り中に広がっていくので、大変影響力があると思う。自分は、音楽については、まったくの素人なので、和音とかコードとかよくわからないが、昨日の患者さんの話では、ラの音がAで440ヘルツでギターの調律の基本の音として使っているとうことを教えてくれた。なんでドがAではないのかと不思議に思っていたが、そういうことなのかと思った。
自分が普段唱えている般若心経が、どんな音程で唱えているのかはわからないが、きっと意味のある音程で自然に唱えているのだと思う。読経している時は、音そのもの中に入り、その音を越えて深い境地へと入ることを目的としているので、あまり音程のことには囚われていない。むしろすべてを忘れ去るために声を出している。いずれにしても、こうして自ら音を発することで、心も身体も元気になっていくことは素晴らしいことだと思う。